私ども横浜市立盲学校図書館では、図書館管理システムの検討を開始してから3年が経過します。各社のソフトウェアをほとんど検討しましたが、視覚障害者が音声で扱えるソフトウェアが見当たりませんでした。昨年、教育システムの「情報BOX」に巡り合いました。
　このソフトウェアで、貸出返却業務を開始してちょうど半年になります。最初に飛びついたのは、小・中学部の児童・生徒です。バーコードリーダーを、自分の利用者カードに当てると「○○さんですね・・」と名前を読み上げてくれ、利用者自身で貸出・返却が簡単にできます。それが楽しく、毎日カードを持って図書館に現れる子が出現しました。また、しっかりカードを首に紐で吊るして現れる子もいます。
　噂を聞きつけた保護者の方々も、多数図書館に押し寄せてきました。貸出冊数がこの数ヶ月急増し、嬉しい悲鳴をあげています。
使い方は、ほとんど説明する必要はありません。勿論、貸出冊数を変えたり、図書館からの特別なお知らせを流すなどカスタマイズも可能です。更に、教室にあるネットワーク接続されたコンピュータからの蔵書検索が可能です。今後は、教室から図書館の蔵書を調べたりというニーズにも対応できます。
　新バージョンでは、インターネット上で、家庭からも図書館の蔵書が確認できる機能にも対応するということで、また一歩、「いつでも、どこでも、利用者に使いやすい図書館」が前進しそうです。

横浜市立盲学校図書館
渡辺浩子司書